多くの中国人が、冷たい水ではなく白湯(さゆ)を好んで飲む習慣を持っており、中国のレストランでもお湯や温かいお茶ばかりが出てきます。
日本では、レストレンなどで出てくる水も基本的には冷たい水のため、初めて中国に行く際には驚かれると思います。
筆者も中国留学にいった際には、どこに行ってもお湯ばかりが出てきて、慣れるまでに意外と苦労しました。
なので、今回は中国人がなぜ水ではなく温かいお湯「白湯」を好んで飲むかについてご紹介します。
中国人がお湯(白湯)を好んで飲む4つの理由
中国人が冷たい水ではなく、温かいお湯(白湯)を好んで飲む理由は、大きく4つあると言われています。
- 殺菌のため
- 体を温めるため
- 中国思想「陰陽(いんよう)」
- 中国の伝統医療
次の項目から上記4つの理由について、それぞれ詳しくご紹介します。
中国人がお湯を好んで飲む理由①殺菌のため
日本では水が綺麗で、しっかりと処理もされているため、水道水でも直接飲むことが出来ます。
しかし、中国では水道水を直接飲むことができないため、一度お湯を沸かし殺菌をする必要があります。
お湯を沸かし、殺菌をしてから水を飲むという習慣がそのまま白湯を飲む習慣になったと言われています。
中国人がお湯を好んで飲む理由②体を温めるため
綿衣類が普及する以前の中国では、冬の寒さが中国人にとって非常に脅威でした。
そのため、寒さから身を守り、体を温めるための方法としてお湯を飲むという習慣ができたと言われています。
その名残が今も残っているというわけです。
中国人がお湯を好んで飲む理由③中国思想「陰陽(いんよう)」
中国には、には古くから「陰陽」という思想があります。
陰陽では、「お湯を飲むことで、体内の脾臓(ひぞう)や胃などの陽に属する臓器に力が満ち、食べ物の消化・吸収能力が高まる」という考え方が存在し、「陰陽湯」という健康法があります。
「陰陽湯」とは、カップの中にお湯を3分の2入れ、その後に水を加えすぐに飲み干すことで陽に属する臓器に力が満ち健康に良い、とされる健康法です。
中国人がお湯を好んで飲む理由④中国の伝統医療
中国の伝統医療には、「健康は体温に関係している」という考え方が根強くあります。
中国古代の医学書にも、冷たい水を飲み、体温が下がると内臓の正常な機能が妨げられるとという記載があるほどです。
そのため、体温を下げないようにお湯を飲むという習慣が昔から中国人の中で根付いています。
中国のレストランで水はあるのか?
中国人がお湯を好んで飲むため、中国のレストランでも基本的にはお湯や温かいお茶が出されます。
しかし、現在では若者のお湯離れなどもあり、基本的にどのレストランでも頼むことで冷たい水やお湯に入れる用の氷などをもらうことができるので、お湯を飲むのが苦手という方でも安心です。
まとめ
今回は、中国人が冷たい水ではなく、温かいお湯(白湯)を好んで飲む理由4つについてご紹介しました。
- 殺菌のため
- 体を温めるため
- 中国思想「陰陽(いんよう)」
- 中国の伝統医療
どの理由にも共通するのが「お湯の方が冷水より体に良い」という考え方です。
実際、筆者も中国留学の後からは、冷水よりも常温の水を飲む様になり、その結果、お腹を壊しにくくなりました。
なので、もしお腹痛めやすいという方がいたら、中国人のように冷水をお湯に変えてみるのがいいかもしれません。
ぜひ今回の記事を参考に試してみてください。